ともに 仙台向山高校の2026年を
ー2026年初め 校長講話よりー
校長 櫻井 知大
新年を迎え、こうして皆さんと共に学校生活を始められることを大変嬉しく思います。
【年末年始の国内外の動きをふりかえって】
今年の年末年始は、日本でも世界でも落ち着かない出来事が続きました。
国内では、昨年12月には、はじめての後発地震注意情報が出され本校でもさまざまな対応を行ってきたところでしたが、数日前に鳥取・島根で震度5の地震が発生しその後も地震が続いています。
また昨年から続くクマの出没が年末年始も収まらず、仙台市街地への出没や宿泊施設への侵入があるなど深刻な事案が続きました。全国的にも2025年のクマ被害による死亡者数は13人と、統計開始以来最悪となりました。
さらに、高校に関する事故としては、確定情報ではありませんが、他県の県立高校での暴力行為とみられる動画がSNSで拡散されるなどしています。確定情報ではないので当該事案そのものについてのコメントではないことを確認した上でお話しますが、いかなる理由があろうとも暴力、SNSでの誹謗中傷・許諾のない個人情報の拡散等は許されないことです。
国際情勢に目を向ければ、中国が台湾周辺で大規模演習を行うなど緊張が高まっていますし、ロシア・ウクライナ間の軍事行動も継続しています。そして、アメリカが年明け早々にベネズエラへの軍事攻撃を開始し、大統領夫妻を拘束するという大事件が起きました。
まさに「世界が揺れ動いている」。そう感じて過ごした人も多いのではないでしょうか。
【 公民科の教員として過ごした視点から】
こうしたニュースは、個々の「事件」や「話題」としてだけ見るのではなく、社会構造の連鎖や社会変動として捉えることが大切だと考えます。
● 人類が抱える課題
気候変動と自然災害の激甚化
AI・自動化社会の進展に伴う格差拡大の懸念
力による現状変更と法の支配、それぞれの動向とその対立
経済の相互依存の一方で高まる地政学リスク
SNSによる情報空間の分断
● 日本社会が抱える課題
人口減少と高齢化
地方の過疎化と都市集中
外国人労働者受け入れ拡大に伴う多文化共生
財政問題と社会保障制度の持続可能性
いま述べたところは、極めて単純化した構図での話となっており、単純化して1対1で結びつけること自体に危険をはらむことも確認したうえでの話ですが、実際には、さらにこれらが複雑化、高度化して絡み合っており、ここ数年をまたず、いっそう重さを増していくテーマです。
だからこそ仙台向山高校での学びは、単なる「知識の習得」ではなく、ものごとの成り立ちや、社会の成り立ちを丁寧に見つめ、自ら考え、より良い選択をする力を育てることを目指すものとなっています。
【大きく「揺れ動く世界」のなかで、大切にしたいこと】
○ 日々の生活を丁寧に
世界の大問題に圧倒されそうになるときこそ、私たちが最初にできる行動は「日常を丁寧に生きること」です。
あいさつをする
時間を守る
授業で探究に向き合う
仲間の言葉に耳を傾ける
こうした積み重ねが、皆さん自身の力を確かなものにし、学校全体の安全と安心を支えていきます。
そして、いま大学受験に全力で向き合っている3年生には、おなじ文脈で「日々を、今を大切にしてほしい」と強く伝えたいと思います。
社会課題に今すぐに取り組みたい気持ちや、受験に向けた不安・疑問と相まって、「こんなことをしていていいのか」と思う瞬間もあるかもしれません。
しかし、その先にある上級学校での学びは、可能性を大きく広げ、専門的な知識・技能を身に付け、よりよい社会をつくる力につながっています。
どうか、いま目の前の日々を大切にしてください。健闘を祈ります。
○「人を分断する言葉」ではなく「人をつなぐ言葉」を選びとろう
昨年末にも話しましたが、改めて触れておきます。
言葉を選ぶ力は、現代を生きる市民として最も大切な力のひとつです。
本校では、国語科、英語科はもとより、向陵プラーニング、理数科の特徴ある学びをはじめ、すべての学びを通じて言語活動を重視しています。
人や物事をみつめ言葉として表現すること
ことばによって思考を深めること
多様性を尊重する言葉をえらびとること
相手の立場に寄り添おうとする言葉、仲間を支える言葉を選び表現すること
その一つひとつが、「分断ではなく連帯」をつくり出します。
○ 自分と仲間の“安全・安心”を最優先に
冒頭でも述べましたが、暴力行為もSNSが結びついた人権侵害についても、このような行為は学校として、校長として、絶対に許しません。犯罪行為については速やかに警察に相談・通報します。
しかし、何より大切なのは、皆さんの一人一人の言葉や行動の選択です。
向山高校の校風をつくるのは、皆さん自身です。
危険を感じたら立ち止まる
仲間の異変に気づいたら声をかける
これらの一つ一つの行動はたとえ小さくても、学校の安全と安心を大きく支えることになります。
そして、これがとても大切なことですのでしっかり聞いてください。
体や心の調子が悪いときは、だれにでもよいので、相談する勇気をもって下さい。私たちはもちろんいつでも皆さんのそばにいます。
【最後に、年初にあたり校長として目指す学校像】
私が目指すのは、すべての生徒と先生方が心身ともに満たされ、安全・安心のもとで挑戦ができる学校です。
これは、つまり、いつも繰り返しお話ししている「ウェルビーイング」の実現です。
感情的なハッピーだけでなく
心が落ち着いていること
仲間と支え合えていること
学びに喜びを感じていること
自分たちの場を自分たちでよくしていること
自分のそして社会のよりよい未来を思い描けること
その姿を、皆さん自身の力で、そして学校全体でともにつくっていきましょう。
大きく揺れ動く世界のなかでも、皆さんが自分の足で立ち、言葉を大切にし、人とつながり、よりよい未来をつくる地域市民、地球市民へと、いっしょに成長していけることを願っています。
それでは、ともに、仙台向山高校の2026年をはじめましょう。
(年初め 開講式での校長講話より)
ここ向陵で共に「学びの変革」を
令和7年4月
校長 櫻井 知大
本校ホームページをご覧いただき、ありがとうございます。
このホームページでは、在校生や保護者の皆様をはじめ、本校への入学を希望している中学生やその保護者の皆様、卒業生や県民の方々に向けて、「向陵生」の学校生活やその活躍など、日々の教育活動の様子をリアルタイムにお伝えするとともに、社会に開かれた学校づくり、安全・安心な学校づくりの視点から、本校の学校経営方針やいじめ対応、学校安全・防災体制等について広く公開するものです。皆さまには、ぜひ本校を様々な面から理解していただきたいと思います。
中学生の皆さんへ
本校は昨年、創立から50年という大きな節目を迎えることができました。そして今年から多くの創立50周年記念事業が行われます。在校生も、先生方も、1万1千人を超える卒業生の先輩方も大いに盛り上がっています。
このような中、本校は、素晴らしい伝統や学校文化を継承しつつ、全国に誇る「向陵プラーニング」をさらに充実させるなど、あらたな学びの実現に取り組んでいます。
ぜひ本校で、共に「学びの変革」を実現し、時代や社会が求める力を身に付け、力を合わせて未来を切り拓いていきましょう。
ここに本校の特色を、ごく簡単に紹介します。ぜひこの後じっくりと本校ホームページをご覧下さい。
【校訓「自律」「和敬」】
本校は、創立以来の校訓「自律・和敬」の精神の下、「自分の言行に責任を持ち相互の敬愛・協力を惜しまない人間を育成する」ことを教育方針に掲げ、知徳体の調和の取れた人間性、豊かな個性と創造性を育むことを目指しています。
生徒が切磋琢磨しながら、主体性を持って学校生活を送り、自分の力で未来を切り拓く力を身に付けることができるよう、教職員一丸となって取り組んでいます。
【一生を貫く学びの基盤を構築し、未来を切り拓く「向陵プラーニング」】
現在の学習指導要領が告示された平成30年に、従前の「向陵プラン」を「向陵Plearning(プラーニング)」(生徒が発案した、plan+learningの造語を採用)へと発展させました。
すべての学びの基盤となる「総合的な探究の時間」の学習プログラムを「向陵プラーニング」と名付け、3年間にわたる体系的な探究活動をとおして、生徒の誰もが持つ無限の可能性を開花させることを目指しています。
そして、これは進路達成実現への中心プログラムでもあります。
本校では、「向陵プラーニング」を中心としたすべての学びを通して、変化が激しく予測困難な時代にあっても、主体的・協働的に生き抜いていける力を着実に育みます。
なお、「向陵プラーニング」は、高等学校普通科におけるキャリア教育の好事例として文部科学省からも取り上げられておりますので是非ご覧下さい。
【令和7年度=「創立50周年記念事業年」】
本校は昭和50年に、仙台市内では初めての男女共学、普通科県立高校として開校しました。平成6年には理数科を併設し、県内での普通科と理数科教育をともにリードする学校として歩み続け、今年度で51年目を迎えます。現在卒業生は1万1千名を超え、県内のみならず全国各地で、さまざまな分野で活躍しています。
令和7年10月17日(金)には、東京エレクトロンホール宮城にて記念式典及び本校吹奏楽部による記念コンサートを実施します。
創立50周年記念事業年を迎え、学校は益々盛り上がっています。